人間失格で見た繊細さ
猪俣です。
小説に興味を持ち始めてから2~3週間は経過したはずですので、
めでたく3日坊主卒業です。
2日前に太宰治の人間失格を読み終えました。
古本屋のカウンターで購入するときにあまりに有名な著書の為
気恥ずかしさを持ったことと、1P目を読み始めた時に言葉の難解なことが相まって
苦手意識が生まれてしまい、購入してから数日ほど机の上で寝かせていましたが、
他に読む小説がなくなり読み始めました。
かなり引き込まれる内容で、読み始めて2時間と経たずに読み終えてしまいました。
私が購入した本は太宰治が書き下ろした「人間失格」の小説部分と、
どこかのえらい方が用意した解説と太宰の生涯についてをまとめたもので、
読み進める中でかなり勘違いしていたことが分かりました。
・太宰と芥川は師弟関係ではなく、太宰の師は井伏鱒二であり、
芥川の師であったのは夏目漱石
・人間失格はあくまで太宰の実体験をもとに作られた小説であり、
自伝ではない
いずれも本読みの方々から笑われそうなことです。
内容についてはとても説明できる気がしませんが、
読んでいる間は、太宰のもつ繊細さと人間臭さに共感できたり
できなかったりを繰り返しながら、すごく生きにくかっただろうなと胸が詰まりました。
中でも、「弱虫は、幸福をさえ恐れるものです。綿で怪我をするんです。幸福に傷つけられることもあるんです。」
という言葉が突き刺さっています。
最後のページには、太宰のおすすめ小説が名前を連ねられおり、
斜陽を次は読みたいなと思っています。
(No.107)