コンビニ人間
猪俣です。
先日、コンビニ人間という小説を読みました。
購入する本をなかなか決められない私が、
珍しくタイトルに惹かれてすぐに購入の意思決定をしました。
内容は、何かしらの発達障害を持っていると思われる主人公(作品中に病名は明記されていない)
の視点で描かれる、周囲の普通と自身の普通の違いがテーマであると認識しています。
主人公は、結婚適齢期を過ぎて独り身でコンビニアルバイトとして働いており、
喜怒哀楽といった感情が欠落しているように思える描写や、
合理的すぎる考え方や物事を柔軟に考えることが苦手であるとわかる描写は、
本作品の障害に対して作者の理解度がいかに深いかが伝わります。
バイト仲間や友人だけに留まらず、親族からも届く冷ややかな意見や、
自身の持つ障害を可哀そうだと同情する意見に日々さらされながら、
不器用ながらも社会に順応しようともがく姿は励まされるようでもあり
胸が苦しくなるようでもあります。
本作品は長編小説ではなく軽い気持ちで読めるボリュームにもかかわらず、
読み終えた後にかなりのインパクトを残してくれる素晴らしい作品でした。
私の様な本読みビギナーにも、しっかり楽しむことができました。
(No.116)